Teoriaは、ギリシア語で「観想、観照」のこと。
 知る喜び 色の楽しみ
 縦糸と横糸が出会い 新たな布が生まれる驚き
京都の小さな文化サロンで、  Teoriaの時間をお楽しみ下さい。

聖ヒルデガルトのお茶会 待降節の会 ありがとうございました☆

去る12月7日と8日は、当カフェの聖ヒルデガルトのお茶会の年内最終回、待降節Adventの会でした。
ご参加下さいました皆様、真にありがとうございました☆

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聖母子 ラベンダー、アイビー

お迎えの間の床飾りはさをり織。

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掛物《冬木立》さをり織、史織 作、香炉《冬ごもり》佐々木泰男 作、花・ワビスケ(白椿)

ギャラリーもクリスマスカラー
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まずは、アロマの組香あそびです。
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「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」と呼ばれる「松、竹、梅」、
「菅家三友」の「丑、梅、鷽」など、
香道には「三友香」と呼ばれる組香があります。
今回のアロマ組香では、待降節にちなみ、三友香ならぬ、オリジナルの「三賢香」で、聖なる香りをお楽しみ頂きました。

 イエスが、ヘロデ王の時代に、ユダヤベツレヘムでお生まれになったとき、見よ、東方の博士たちがエルサレムにやって来て、こう言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。私たちは、東のほうでその方の星を見たので、拝みにまいりました。」それを聞いて、ヘロデ王は恐れ惑った。エルサレム中の人も王と同様であった。そこで、王は、民の祭司長たち、学者たちをみな集めて、キリストはどこで生まれるのかと問いただした。彼らは王に言った。「ユダヤベツレヘムです。預言者によってこう書かれているからです。『ユダの地、ベツレヘム。あなたはユダを治める者たちの中で、決して一番小さくはない。わたしの民イスラエルを治める支配者が、あなたから出るのだから。』」そこで、ヘロデはひそかに博士たちを呼んで、彼らから星の出現の時間を突き止めた。そして、こう言って彼らをベツレヘムに送った。「行って幼子のことを詳しく調べ、わかったら知らせてもらいたい。私も行って拝むから。」彼らは王の言ったことを聞いて出かけた。
 すると、見よ、東方で見た星が彼らを先導し、ついに幼子のおられる所まで進んで行き、その上にとどまった。その星を見て、彼らはこの上もなく喜んだ。そしてその家に入って、母マリヤとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝んだ。そして、宝の箱をあけて、黄金、乳香、没薬を贈り物としてささげた。(新約聖書【新改訳改訂第三版】マタイの福音書1章1~11節)

伝説も諸説ありますが、一説によれば、
メルキオール Melchior が持参した黄金は、王権、この世の栄光を、
バルタザール Balthasar の乳香は、神聖、天の栄光を、
カスパール Casper の没薬は、死と復活、天と地を結ぶことを、
それぞれ象徴すると言われています。
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左から、
乳香、没薬、黄金、です。
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 乳香フランキンセンスは、古くから聖なる香りとされ、かつては同じ重さの金と交換されたほど珍重されました。香として焚くほか、漢方薬としても用いられます。今日でも、キリスト教会の中で焚かれるお香の多くにこの乳香が用いられています。フランキンセンス配合のローションやクリームも市販されていますね。
 没薬ミルラもまた古くから珍重されていた香りで、その名のとおり薬としても使われていました。防腐効果から死者を弔う時に用いられたと言います。ミイラの語源という説もあります。
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 説明不要の?黄金は、金塊ではなく(諸般の事情によりw)金箔をご用意しました。金そのものは香りは無いので、黄金色のイメージで、柑橘系の香りをオリジナルにブレンドしました。
 乳香、没薬とも樹脂をそのまま焚くことも出来るのですが、今回は組香の中で、黄金とあわせて計三種類の香りを聞いて比較して頂くため、エッセンシャルオイルをご用意しました。フランキンセンスとミルラは「生活の木」、黄金ブレンドは「六月八日の森」の精油を使いました。

 柑橘は試さなくてもわかりやすいかと思いましたので、試み無し、で。
 乳香と没薬は、お正客様にどちらか一つを選んで頂き、これを試しに聞いて覚えて頂くことにしました。

 そして、いよいよ、出香。

メルキオール(黄金)、バルタザール(乳香)、カスパール(没薬)、

 三つのボトルをシャッフルして順にお出しします。
 伝説では三賢者は、黄金、乳香、没薬を持った方の順に登場したようでしたが、
 さて、このテーブルでは、三賢者はどの順に登場するでしょうか?
 三賢者の名を登場順に書いてお答えいただきました。

 樹脂2種に柑橘1つでは、わかり易すぎるかも?とも思いましたが、意外にも各お席ともに解答はばらけ、正解率はほぼ半数でした。
 
 一説には、幼子イエズスは黄金、没薬よりも乳香を喜ばれた、とも言います。
 皆様、お好みはどの香りだったでしょう(^^

 香席のあとは茶席でおくつろぎ頂きます。

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なかほどのボトル。今夏、リューデスハイムはアスバッハの蔵元まで参りましてゲットして来たブランデーはオーガニックVr.のものです。
 今回のメニューです。
 まずは、
〇当店自慢の井戸水
 これはお香の際、感覚をリセットするのにも有効です。
 そして、前回ご好評頂きました
〇「マダム・ゲーベラインおすすめ アイレスのハーブティー」クリスマスVr.
 一八七三年ミュンヘンに開店して間もなく人気を博し、あのルートヴィヒ二世御用達となったアイレスEillesの香り高いお茶です。ルイボスティーをベースに、レモン、りんご、オレンジ、赤胡椒などのはなやかなブレンド
 そしてそして、今回のスペシャルは、
〇リューデスハイマーカフェ!
 聖ヒルデガルト修道院のあるリューデスハイム。ご当地名物のアスバッハのブランデーに、テーブルで火をつけアルコールをとばし、珈琲を注ぎ、上にたっぷりの生クリームを。そして、本家では削ったチョコレートを一番上にのせていますが、今回当店では、組香で用いてほんのり柑橘の香りの移った食用金箔をトッピングさせて頂きました。
※ アルコールが苦手な方にはブランデーぬきでお作りしました。
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アスバッハにて、エスプレッソサイズのリューデスハイマーカフェー用カップを入手して参りました。
 お菓子は、
〇聖ヒルデガルト修道院のスパイスを使ったシュトレン
 今夏、リューデスハイムの聖ヒルデガルト修道院内で求めて参りましたオーガニックのディンケル*に、スパイス(ガランガル、シナモン、ナツメグ、カルダモン)を配合。ラム酒づけオーガニックレーズン、くるみ、アーモンド、はちみつとラカント入りです。
〇緑の力のクーヘン
 聖ヒルデガルトの教えの中でキイワードとして登場するViriditas。植物のもつ力、緑滴る若々しさ、生き生きとした活力、魂の息吹。ときわの緑、変わらぬ心…。生命の象徴としての「緑」色に、今回、丸久小山園の有機抹茶を用いました。ディンケル、ラカント使用。
〇白グリューワインとはちみつのジュレ
 ドイツ各地のクリスマスマーケットで必ず味わうことの出来る温かいグリューワインは、さまざまな香辛料や干した果物などが漬け込まれたパワードリンクです。今回は、白グリューワインをはちみつといっしょに煮切ってジュレにしました。
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当店の手作り焼き菓子について
 地味で素朴なドイツレシピのお菓子ですが、いずれも聖ヒルデガルトのすすめにしたがい、健康的な食材、有機無農薬の食材を積極的に使い、滋養に満ちた自然の味をそのまま生かす「少量手作り」を心がけています。現代生活の中、ともすると過剰摂取になりがちな白砂糖、白い小麦粉は使っておりません。
ディンケルについて
 日本では「スペルト小麦」とも呼ばれるディンケル(独Dinkel、伊Farro、瑞Spelz)は、聖ヒルデガルトが最も愛用し、強く勧めた食材のひとつです。いわゆる古代穀物種であり、品種改良を重ねて来た現代の小麦が失った本来の特質を、豊かにバランスよくそなえています。籾殻(スペルト)が硬く、虫がつきにくいことから、現代的な農薬を必要とせず、オーガニック栽培に適しています。現代の小麦粉に比べ、鉄、マグネシウム亜鉛、銅などのミネラル、ビタミンは、B1・B2・B3・B6・Eなど、より多くの栄養素を含みます。タンパク質、必須アミノ酸においても普通の小麦よりはるかに高い数値を示しています。風味は、麦の薫り高く、素朴でしっかりとした味わいです。又、アレルギーが出にくいことも報告されています。

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 年内最終回のドイツ茶会、今回も又すてきなお客様方に恵まれ、大変良い会をもつことが出来ました!
 真にありがとうございました☆


 次回のドイツ茶会は来年2月となります。どうぞお楽しみに♪

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さて、
当店は手織カフェです。
心を解放する
自由な現代手織《さをり》のワークショップも
もちろん随時受付中、塾生さんも募集中です。

自己表現としての現代手織、さをり
好きに好きに、
心のままに織っていく《さをり》は、
老若男女、どなたにもご体験いただけます。
cafe485.hatenablog.com

カレンダー〇印の日のご予約を受け付けております。
ご利用を心よりお待ち申し上げております☆