Teoriaは、ギリシア語で「観想、観照」のこと。
 知る喜び 色の楽しみ
 縦糸と横糸が出会い 新たな布が生まれる驚き
京都の小さな文化サロンで、  Teoriaの時間をお楽しみ下さい。

夏の終わりの茶の湯のカフェゼミ

8月31日、川上千枝先生の茶の湯のカフェゼミ「水の恵みと日本文化」がありました。
 
「京」に「さんずい」で「涼」。
8月最後の日、ゆく夏としのびよる秋の気配を五官で楽しむ、「水の恵みの会」でした。
まずは、ゼミ室で、恒例自由ゼミです。
 
今日は、和歌研究者のゼミ生さんから「風」をテーマとした歌をご紹介いただきました。


風かはる 夏の扇は手になれて 袖にまづ置く あきのしらつゆ


夏から秋へという本日のテーマにふさわしい美しい和歌。各ゼミ生からさまざまな解釈(含妄想)も飛出し、楽しくうたを味わいました。


次は、
千枝先生の「茶の湯の歴史」シリーズのつづき。
これまでも、神津朝夫『茶の湯の歴史』を参考図書にゼミをして頂いて参りましたが、本日は、「千利休の師=武野紹鴎たけのじょうおう」という通説に対し、「辻玄哉つじげんさい」の存在を再評価すべきだという説(神津説)をご紹介いただきました。
なぜ、「紹鴎⇒利休」という通説のみが正典化され、「辻玄哉」の存在は消され忘れ去られてしまったのか?!
歴史ミステリーに、又思い思いの感想や仮説があげられ時間が足りないほどでした。


さて、いよいよ茶室に入ります。

8月最後の日、日中はやはり汗ばむ夏日になりました。床の掛物は「清流」にみたてた絹のすかし織りです(若女将の手織です)。籠には東京と京都の夏と秋の花々。

秋海棠、白河原撫子、沢桔梗(撫子の下に入れられています)、白竜胆、瑠璃虎ノ尾、水引草、割木瓜

そろそろ夏の薄物も着おさめの頃。どうぞお気軽に浴衣でもおこし下さいとの店主の誘いに、殿方お二方は素敵な浴衣姿でおでましに。白い博多帯も涼やかなお正客さまは、神戸からのご参加。いつも遠路をありがとうございます。

主菓子は俵屋吉冨「清流めぐり」。
千枝先生の御点前で頂きます本日のお抹茶は、八女は星野の「星峰」。「やわらかい、やさしい味ですね」とゼミ生さま。

お足はどうぞお楽に。
本日も裏千家表千家江戸千家、とそれぞれのお稽古をされている方が集いました。
お茶室体験の後は、円卓でのカジュアルなひととき。

お干菓子をいただきながら、お薄のおかわり&お喋りにも花が咲きます。

二條若狭屋の季節の御干菓子ふきよせ「京の色」、鳥取の梨のお菓子「二十世紀」梨の輪切りの形です―秋を感じつつ、こしあんではなく大納言を包んだ一口サイズの松露玉は亀屋友永「大納言」、竹濱義春老舗「こぼれ松葉」―ちょっと佐藤春夫を思ったりしつつ。



川上千枝先生、ゼミ生の皆さま、本日も贅沢なひと時をありがとうございました。


歌人のゼミ生さまが早速、↓短歌と画像↓をUpして下さいました。ありがとうございます☆