Teoriaは、ギリシア語で「観想、観照」のこと。
 知る喜び 色の楽しみ
 縦糸と横糸が出会い 新たな布が生まれる驚き
京都の小さな文化サロンで、  Teoriaの時間をお楽しみ下さい。

炉開きの茶の湯ゼミ


11月6日、
川上千枝先生の茶の湯のカフェゼミ
「水の恵みと日本文化」
今回は炉開きの会でした。







まずは、寄付きの円卓。


井戸水をお召し上がり頂きました。


皆さまお揃いになったところで、廊下を通り、お茶室へ。




床は、さをり織「初冬はつふゆ」(史織作)。
明日は立冬です。
白玉椿と紅葉はコバノズイナ。



今年の亥子餅は俵屋吉冨さんの。


御抹茶は、八女星野園の星授。

お濃茶の香りがたちのぼり、

一座建立のひととき。

炉の温かさが座を満たします。


千枝先生のお濃茶は温かくつややか、
しかもまろやかで甘いお茶です。
今回も大変美味しゅうございました。


その後、ステンドグラスの洋間に入り、ゼミの開始です。



本日の床のさをり織りは、べんがらで染めた糸を使っております。
店主からの話題提供は、いつもの時候と色のお話で、初炉にちなみ「そめ」について。


陸奥のしのぶもぢずり誰ゆえに乱れそめにし我ならなくに


「初める」「染める」「しみる」「しみじみ」
大岡信の「しみる」観などもご紹介いたしました。




千枝先生からは、「山上宗二」のお話の最終回です。
すでに、
宗二の生涯、茶書『山上宗二記』原本研究について学んできましたが、
本日はいよいよ彼の茶論のなかみ、
ということで、
山上宗二記』「茶湯者覚悟十躰之事 又十躰之事」。
宗二が記した茶人の心得について教えて頂きました。



一、上を粗相に下を律儀に、物の筈の違わぬ様にすべし
一、万事に物のたしなみ、並びに気遣い
一、きれい好き、心の中なお以て専ら也
・・・・・・・・・・・・
一、客人振りの事、大かた一座建立にあり


後年の解釈がわかれる部分などについても
先生が丁寧に解説して下さいましたが、
文字通りの「覚悟」、心得指南ですので、
現代の茶の湯に通じる部分が多く、
ゼミ生の皆さま、
きっとそれぞれに感慨をお持ちになったことと思います。


店主個人としては、
茶の湯という芸術が「様式化」し、「制度化」し、定着し、伝統となり、歴史をかたちづくっていく、という、
そのありさま、動態が、如実に伝わってくるようで、大変興味深かったです。


薄茶とお菓子を頂きながらゼミでのお話を楽しむうち、
あっという間に2時間がすぎ、ゼミ終了です。

御抹茶は星野園 星の露
おもたせの栗羊羹、かもめの卵
お干菓子 二条若狭屋
麩の焼き 俵屋吉冨


本日は初めて、これまでのゼミの流れとは逆に、
先ずお茶室体験をして頂き、その後にゼミを行いました。
茶席には新鮮な緊張感をもってお入り頂き、
ゼミではじっくり腰を落ち着けてお話頂けたのでは、と思います。
先生のお話「茶の湯の歴史」も益々次回が楽しみになって参りました。
乞うご期待!デス。


川上千枝先生、
ご参加下さいました皆さま、
本日は大変よい炉開きのゼミとなりました。
真にありがとうございました☆


ゼミ後の会食会への御参加にも
あわせて感謝申し上げます。


次回茶の湯のカフェゼミは1月29日(日)、初釜です!
どうぞお楽しみに☆

川上千枝先生の茶の湯のカフェゼミ
「水の恵みと日本文化〜初釜」
1月29日(日)14時〜
5日前までにご予約下さい⇒cafe485@gmail.com
参加費 3000円


服装自由。お持物不要。流儀問わず。
茶の湯は初体験という方も、達人の方も歓迎です。