Teoriaは、ギリシア語で「観想、観照」のこと。
 知る喜び 色の楽しみ
 縦糸と横糸が出会い 新たな布が生まれる驚き
京都の小さな文化サロンで、  Teoriaの時間をお楽しみ下さい。

聖ヒルデガルトのお茶会~夏至の会

6月22日、夏至
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京都Cafe Teoriaの《聖ヒルデガルトのお茶会》、
このたびは「夏至の会」でした。
ご参加まことにありがとうございました!


一年のうちで昼が最も長い夏至の日、
アロマの組香は、もちろん《夏至香》!

人にはいわゆる五官の機能がありますが、視覚や聴覚が大脳新皮質と結びついているのに対し、嗅覚は大脳辺縁系という原始的な部位に結びついています。
現代の生活の中、人間は情報の九割近くを視覚から得ていると言われます。そこから理性的判断などが組み立てられています。ほかの感覚は残り一割ということに。中でも嗅覚は常日頃、比較的「意識されない」領域の感覚だと思います。
組香という非日常的な場を通して香りにふれることは、日頃眠っている脳の領域を耕すことにつながります。
夏至には夏至の趣向を楽しみながら、
自分の中に眠る豊かな感性を
あらためて掘り起こして頂けたなら幸いです。


茶菓のテーマも、もちろん夏至
ドイツの夏至にちなんだ趣向でご用意しました。
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ハーブティーは、
ローズマリークランベリーなどのブレンド
セントジョーンズワートブレンド
の2種類、
店主手作りのお菓子は、
ルバーブのシュトロイゼルクーヘン
・ザンドクーヘン
・レモンのゼリー
の3種類です。
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ハーブティーはもちろんオーガニック。
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お菓子は、いずれも白砂糖不使用。甘味料はラカントとはちみつ使用。
ザンドクーヘンは、口にいれるとほろほろ崩れる食感から「砂のケーキ」と名づけられていますが、
当カフェでは小麦粉のかわりに「おから」を使い糖質を限りなく抑えました。
ルバーブクーヘンは、聖ヒルデガルトがすすめるディンケル粉を使いました。


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〇 聖ヨハネの薬草/セントジョンズワートについて
古来、悪霊を祓う薬草として、6月24日の聖ヨハネの日の正午にだけ摘むことが許されていたそうです。この草を編んだ冠には特別な力が宿ると考えられていました。


f:id:cafe485:20190623211718j:plain:w150:leftヨハネ草と名づけられたのは、聖ヨハネの誕生日の頃に花咲くこと、薬効が聖ヨハネのようにパワフルであること、また、押しつぶすと血のように赤い液が出るので、聖ヨハネの血塗られた逸話を連想させたことから、とも言われています。
サロメが見事な舞の褒美として王に聖ヨハネの首を所望したという、あのお話です。


ちなみに、聖ヨハネの薬草は和名セイヨウオトギリソウですが、日本のオトギリソウにも血塗られた伝説があり、いずれも「血」と結び付けられていたという共通点に驚かされます。日本では兄が弟を切る→弟切草、というお話です。

古代からその薬効が認められていた聖ヨハネの薬草ですが、残念ながら、聖ヒルデガルトはこの薬草については動物の餌に、としか言及していない、と、ハイデローレ・クルーゲ著『ヒルデガルトのハーブ療法』にあります。
ヒルデガルトのハーブ療法―修道院の薬草90種と症状別アドバイス
敬虔なキリスト教徒であり、当時の先端を行っていた彼女的には、ビフォア・キリスト教的な、古代からつたわる民間療法に余り重きをおかなかったのかも?というのは店主(母)個人の勝手な仮説です(笑
今日のドイツでは、錠剤やタブレットも手軽に入手できます。

ルバーブについて
逆に、聖ヒルデガルト時代にはまだ食用されていなかったのが、ルバーブです。今日の食用は栽培品種で、聖ヒルデガルト時代のドイツの食卓には、残念ながら未だ登場していなかったようです。しかし、ご先祖の近縁種「大黄」の根は、中国では数千年にわたり漢方薬として使われてきました。ルバーブの和名は「食用大黄」。カリウムやカルシウム、ビタミン類、繊維質、アントシアニンなどが豊富な野菜です。
最近日本でも、大きなスーパーやデパ地下などで手に入るようになりました。
ドイツでは夏至までにルバーブを食べると、むこう一年健康に過ごせるというジンクスもあるとのことです。
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〇はちみつについて
夏至の日にはちみつをとると良い、というジンクスの正確な由来は不明です。
夏至の時に草花のパワーがマックスになると信じられて来たこと、その草花から集められた蜜はさらにその力を濃縮したエッセンスだという考え方、また、夏至の太陽の光を集めたような美しい黄金色であること、などから関連付けられたと思われます。
実際、はちみつには糖のほかに、ビタミンB1・B2・B6、葉酸ニコチン酸パントテン酸、ビタミンC、ビタミンK、ビオチン、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄、銅、マンガン、さらに強い殺菌作用をもつグルコン酸も含まれています。しかも、砂糖と比較すると低カロリーで、エネルギーに変換されやすい点もメリットです。
これからの暑さをのりきるためにも、滋養に満ちたはちみつはお勧めです。
今回のメニューでは、ルバーブのコンポート、ザンドクーヘンに一匙ずつ加え、その分ラカントを控えました。



夏至の日、
夏至ならではの組香遊び、
夏至ならではの薬草、野菜、蜜を摂り、
これからの季節にむけて、ささやかながらも心身の養生になったのでは、と思います。

ご一緒下さった皆さま、真にありがとうございました☆
今回を逃した皆さま、次回のお越しをお待ちしております。

さて、次回ドイツ茶会は、8月夏休みをはさみ、10月の開催になります。
どうかよろしくお願い申し上げます。

◇ 日時
10月4日(金)①10時~ ②13時~ ③16時~
10月5日(土)①10時~ ②13時~
計5回です。
各回ともの所要時間は約1時間半~2時間程度です。

◇ 内容
1.茶席 ドイツのハーブティーと手作り菓子
2.香席 アロマ組香遊び
午前は1.2.午後は2.1.の順となります。

◇ 会費
各回とも3,000円(税込)

  • おきものの方ー300円=2,700円
  • リピータの方ー200円=2,800円
  • おきもの&リピータ様はー500円=2,500円

※ほかの割引チケットとの併用は出来ません。

京都の隠れ家カフェで、
心静かに五官をひらき、
日本とドイツの四季にふれるひとときを…。

ぜひ、お誘いあわせの上、お申し込み下さい!

お申し込みは、
・ ご希望日時
・ お申し込みの方の氏名(ご同伴の方の氏名)※各席とも7名様までです。
・ 連絡先(当方からの返信を受信できる設定のアドレスでお願い致します)
を明記のうえ、cafe485@gmail.com へお願い申し上げます。

当カフェのお菓子について…
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ヒルデガルトのお茶会のお菓子は、お客様の人数分だけ、少量、手作りのカフェオリジナル。
素朴で地味なものばかりですが、聖ヒルデガルトのすすめるディンケル(スペルト小麦)、季節のハーブ、スパイスなど、
心と身体にやさしいオーガニック素材を積極的に使い、白砂糖や、一般的な白い精製された小麦粉は原則として使っておりません。
アレルギーや食べられない食材のある方は、どうぞご遠慮なく、事前にお申しつけ下さい。

アロマの組香について…
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組香とは、いくつかの香りを聞き※香りをあてる香道の遊戯です。
(※香道では香りを「かぐ」のではなく「聞く」と申します。)
敷居が高いイメージの香道ですが、当カフェでは、
香木のかわりに良質のアロマ精油を用い、
和室で正座するかわりにテーブルの椅子席で、
と、どなたにもカジュアルにお楽しみ頂ける工夫を致しました。
組香では、単に香りをあてて遊ぶだけではなく、
四季折々、ゆかりの二十四節気七十二候や古典文学など、
ドイツ&日本文化をご紹介しながらご一緒に鑑賞致します。
自然を愛で、
自然と共に生きた
いにしえ人の心に思いをはせつつ、
「ドイツ×京都」を味わって頂けましたら幸いです。


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