秋の長雨の週半ば、
幸いぽっかり晴れました昨日、
初めて教林坊のお香の会に行って参りました。
<石の寺 教林坊→https://kyourinbo.jimdo.com>
白州正子が随筆「石の寺」(『かくれ里』新潮社1971)で、石庭に興味をひかれたと書いている教林坊。
- 作者: 白洲正子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/09/01
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
<人の力を重ねて―名刹の復興にかける→http://www.zenseikyo.or.jp/manabou/bukkyousya/2009/09/post-20.html>
京都から安土駅までJRで50分。駅から車で10分ほど。近江八幡市安土町の繖山(きぬがさやま)南面に教林坊はあります。
趣きある山門が迎えてくれます。
青々とした森に囲まれた参道を上がって表門をくぐりますと庫裏です。
庫裏入ってすぐの土間。
香道教林坊流の木札がかかっています。
この庫裏の書院が香道教授所としても使われています。
日本の香道は、推古天皇の時代漂着した香木を、聖徳太子が初めて沈香として見い出したことに始まるとされています。
聖徳太子創建と伝えられるここ教林坊で、千数百年の時空を超えて、香道を楽しむことが出来るとはなんと愉しいことでしょう。
このあたりの繖山山麓は、戦国時代には近江守護職六角氏の城下として栄えた由、お寺には桃山時代からの香道具も伝わっているとのことです。
素晴らしい教場です。
書院には床の間がありません。
付書院の窓を掛け軸の幅に開いて眺める庭の景色を、そのまま一幅の山水画に見立てる趣向、「掛け軸の庭園」。
白州正子はこれを「源光庵の悟りの窓」「宝泉院の額縁庭園」とならぶ日本三窓のひとつと呼んだそうです。
組香に先立ち、
御住職様から「黒白二鼠の喩え」というお話を伺いました。
蓬莱山に模した石の庭を背景に伺うお話、現世でジタバタしている(笑)わが身に深くしみました。
さて、
いよいよお香の会。
この日、午前の組香は「白露香」、午後は「月影香」。
白露に風のふきしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける
秋風にたなびく雲のたえまよりもれいづる月の影のさやけさ
すがすがしい山の空気の中で聞く香はまた格別です。
又、いつもながらに先生のお話は大変面白く、また趣き深く、多忙な日々の暮しの中で忘れていた日本の心を思い出させて下さいます。
(午前の席では偶々「叶」にて
御住職様揮毫の記録紙を拝領(^^))))
お菓子とお抹茶のおもてなしにも与りました。今回のお題にあわせて特注されたお菓子は、秋の野の草葉のうえに一粒透き通った白玉が光る景色を表現したキントンでした。美味しゅうございましたー♪(すぐにおなかの中へ消えたので画像はナシ^^*)
昨日までの雨に洗われ、うるうるとふくよかな苔の緑。
紅葉の頃にはライトアップされる葉も今は滴る青さでした。
竹林のそよぎに混じって、
正覚泉からのせせらぎの音、
時折鳥の声も聞こえます。
水琴窟も清らかな音色を奏でています。
本堂です。
隅々にまで、お心とお手入れの行き届いた境内。
画像のほかにも、かわいらしい御本尊 赤川観音さま、本堂の美しい十一面観音さま、書ききれないくらい、見所いっぱい。
美しい緑、自然の音、お香の薫り、美味しいお菓子にお茶、全身を教林坊の空気に浸すことが出来、日頃眠っていた感覚がフルに目覚めました。
早川光菜先生、御住職様御夫妻、御連席の皆様方に心より感謝しつつ、とても豊かな気持ちで京都に戻ることが出来ました。
ありがとうございました!
<香道教林坊流流葭風会はこちら→http://www.hayuka-system.com/kafu-kai/index.htm>