7月29日午後は、川上千枝先生の茶の湯体験ゼミ「水の恵みと日本文化」スペシャルでした。
お暑い中、お集まり下さいましたゼミ生の皆さま、まことにありがとうございました。
皆さまのご支援をもちまして、本年6月、当店も開店一周年、ゼミ活動も今月より二年目に入ります。この一年、小さなサロンながら、諸先生方のご尽力により、数々の楽しいゼミを進めて参りました。
中でも、
このカフェならではの、最もユニークなゼミが、当店の井戸水を使った茶の湯ゼミです。
川上千枝先生のもと、茶の湯のお話、四季折々の風習、水にまつわる民俗等々、毎回少しずつ日本文化をご一緒に楽しく学びつつ、この一周年を迎えることができました。
二年目に入ります本日のスペシャルでは、初心にかえり、あらためて「水の恵み」にふれました。
日本人の心のふるさと 京都の生活文化と水〇京都盆地の地下には天然の地下ダムが形成されていて、地下水の流失が少なく、かつ背後の基盤岩が椀状を呈していることから、多量の地下水が貯水されているものと考えられる。このような地質構造を水盆構造と呼ぶが、京都盆地はまさに典型的な水盆構造を呈しており、われわれは「京都水盆」と名付けた。(楠見晴重『アジア古都物語/京都-千年の水脈』p84「京都の地下水」)
今回は、
涼を呼ぶ「洗い茶巾」のお点前です。
本日の掛もの
「楽水」
(篆書)
瀧の水の流れをイメージしたパステル書画。
佐藤史織作
子曰、
知者楽水
仁者楽山
知者動
仁者静
知者楽
仁者寿
(『論語』雍也)より。
学ぶ者にとって、固定観念に支配されず柔軟な発想を保つことは極めて重要です。
「楽水」は、Cafe-Intellektuellen Kyotoの心でもあります。
そして、本日の主菓子は「水」にちなみ、「麩嘉」の麩饅頭を、
二服目のおともには、亀屋良永の御池煎餅(ふのやき)をお召し上がり頂きました。
茶の湯のみならず、豆腐、湯葉など、京都独特の食文化もまた、豊富で清らかな「水」に支えられてきました。お麩もそのひとつ。生麩作りにはきれいな水が豊富に必要です。京都府庁のそば、生麩の老舗「麩嘉」は、文化文政年間の創業。店の入口脇にあるのが名水「滋野井」です(京都七名水のひとつとか)。井戸の名は平安時代、公卿滋野貞主の邸地だったことにちなみます。この水を汲みに来る料理人は今も後を絶たないそうです。
お茶室でのお点前のあと、
二服めからはゼミ室に戻って和気藹々。
その他のお干菓子:
亀廣永の水の「渦」
仙太郎の「氷室のこおり」です。
いずれも「水」にちなんだお菓子たち。
三服めは、
井戸水を凍らせた氷に
湧水を注ぐ
オンザロックでお抹茶をどうぞ。
みな様楽しく各自で
おたて下さい、と、
千枝先生が説明して下さいます。
からから
からから
と
涼しい音がサロンに流れます。
そして又さまざまなお話に花が咲きます。
昨年同様、
ゼミ終了後は下鴨神社の御手洗祭へも詣でました。