Teoriaは、ギリシア語で「観想、観照」のこと。
 知る喜び 色の楽しみ
 縦糸と横糸が出会い 新たな布が生まれる驚き
京都の小さな文化サロンで、  Teoriaの時間をお楽しみ下さい。

装飾料紙拝見@藤本孝一先生の文化財ゼミ








藤本孝一先生のカフェゼミにて、装飾料紙を拝見。


先生が袋から色とりどりの料紙を出して下さった時には思わず全員歓声をあげ、「さあ手に取ってごらんなさい」と言って下さってからは、息をのみ言葉をうしなうほどの美しさでした。そのすばらしさの何分の一も、写真では到底お伝え出来ないことが、本当に残念です。
この料紙は、神田神保町古書店を通じ、故・田中親美氏の品を、藤本先生が入手されたものです。


【Memo1】田中親美:たなか しんび
 書家。京都生。画家田中有美の子。多田親愛に師事。『隆能源氏絵巻』『平家納経』等、文化財の復元複製を完成させる前人未踏の事業を為し遂げる。また「高野切」「手鑑」類等の古筆の複製本を発行。かな書道の発展に尽した。昭和50年(1975)歿、100才。
美術人名辞典 
http://www.weblio.jp/content/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E8%A6%AA%E7%BE%8E


【Memo2】田中親美について
 唐紙からかみ、蝋箋ろうせん、飛雲とびくも、墨流し、截金きりかね、切箔きりはく、野毛のげ、切り継ぎ、破り継ぎ、重ね継、等々、鎌倉期以後断絶していた王朝の装飾技法を、復活再現し、莫大な国宝の数々と微塵も違わぬ模本を作成した
「いわば神技の人」
抜粋:萩谷朴「伝来古筆切手鑑『野辺のみどり』」書評
http://libw01.kokushikan.ac.jp/data/001769/0000/registfile/0386_5118_06_10.pdf


【Memo 3】りょうし[料紙]
 楮・雁皮・三椏などを原料として漉いた紙に、礬水(どうさ)や胡粉などで何らかの加工を施した紙を言う。主にかなを書くために使用する。
 雲紙(くもがみ)=染料で染めた紙の上部及び下部に、藍または紫に染めた繊維を雲形に置いたもの。
 飛雲紙・羅紋飛雲紙(とびくもがみ・らもん)=紙の繊維を藍および紫に染めて部分的に置いたもの。
 羅紋紙(らもんし)=紙の繊維を紫に染めて成紙の上に流して振動させたもの。
 具引紙(ぐびきがみ)=胡粉を刷毛で引いたもの。
 雲母引紙(きらびきがみ)=雲母を刷毛でひいたもの。
 唐紙(からかみ)=唐草文様の版木に雲母または胡粉を引いて摺ったもの。
 蝋箋(ろうせん)=紙の裏面に版木を置いて表面に蝋を引き胡粉を透明にして文様を摺ったもの。
 空摺紙(からすりがみ)=蝋の代わりに猪の牙で磨いて文様を摺り出したもの。
 装飾紙(そうしょくし)=これらの紙に金銀の箔、金銀の砂子、野毛などを施したもの。
 下絵紙(したえがみ)=金銀泥または緑青、群青で鳥、蝶、草木などの下絵を描いたもの。
またこれらの紙を切り継いだものに
 切継(きりつぎ)・破継(やぶりつぎ)・重継(かさねつぎ)
などがある。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:DWdb32EkY50J:www.geocities.jp/shingyo_o/syodou-15.htm+&cd=2&hl=ja&ct=clnk&gl=jp