あらたまの年たちかえるあしたより
若やぎ水を汲みそめにけり
立春(元日)の朝、若水をとるときの歌です。
その年初めて汲み上げる水は
若水、初水、朝水、などと呼ばれ
古来、邪気をはらい
若返りの力のこもったものとされていました。
地方によっては
「黄金の水をくみます」
などとも唱えるようです。
先月のカフェゼミ「水の恵みと日本文化」の初釜のおりにも
ご紹介させていただいたのですが、
古典落語「かつぎや」で語られているように
新年のさまざまな習わしやしきたりには、
水の恵みに感謝する庶民の祈りがこめられていたのですね。
この和歌。私は落語で親しんだもので、実体験としては、
幼い頃、隣家の井戸端で遊んだ記憶はありますが、
自宅にはすでに井戸はありませんでした。
Cafe-Intellektuellen Kyotoの水は
井戸の湧水です。
Cafeのある塔之段町は御所の北々東にあたり
名水で名高い御所東の染井と同じ水脈といわれる
深井戸から水をくみあげております。
立春のけさ、
本当に井戸からの若水をとりながら
この歌をとなえることができることに
しみじみ楽しさとありがたさを感じました。
立春を迎えた今のこの時期
是非、Cafe-Intellektuellen Kyotoで
力のこもった若水をおとり下さい。
お越しをお待ちもうしあげております。
袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つ今日の 風やとくらむ