Teoriaは、ギリシア語で「観想、観照」のこと。
 知る喜び 色の楽しみ
 縦糸と横糸が出会い 新たな布が生まれる驚き
京都の小さな文化サロンで、  Teoriaの時間をお楽しみ下さい。

春分 茶の湯のカフェゼミ

3月24日、川上千枝先生の茶の湯のカフェゼミ「水の恵みと日本文化」でした。
今回も、熱心なゼミ生さんたちにお集まりいただき、真にありがとうございました☆

まず、恒例、ゼミ室にてのゼミ生報告&先生のレクチャー。
和歌のお話をしてくださるゼミ生さんは、大学非常勤もつとめておいでの若き国文学研究者さんです。

春の夜のやみはあやなし 梅の花 色こそみえね かやはかくるる
なにわづにさくやこのはな ふゆごもり いまをはるべと さくやこのはな

日本人にとって花といえば桜ですが、奈良時代以前は梅をさしていたのですね。白梅は「和」、紅梅は「唐」ものイメージ、など、日本人の美意識や、国風感覚がいかにめばえて来たのかを考えさせられるお話でした☆
ありがとうございました。
そして、

川上千枝先生からのお話、「茶の湯の歴史」。今回からはいよいよ千利休!です。「茶聖」とうたわれる千利休も、近年は色々なメディアで様々な形で登場してきています。しかし、その実像について立証可能な確たる一次資料は、驚くほど限られているのだそうです。つまり、神話伝説として後世に構築された部分が非常に大きいとのこと。
今回も、神津朝夫さんの『茶の湯の歴史』をふまえつつも、千枝先生の解説、解釈をうかがい、たいへん興味深く、楽しく勉強させて頂きました。
そしてまた今回も、ゼミ生さん達から自由な質問や率直なコメントが飛び交いました。
これが、当店ならではの少人数カフェゼミの醍醐味です!

さて、
ゼミのあとは、お茶室へ移ります。

床の手織りは、「さくら」(国産絹。史織作)
花は、アイリス、猫柳、雪柳。
花入れ朝鮮青磁

お抹茶は丸久小山園さんの雲鶴。
主菓子は、俵屋吉冨さんの「すみれ」(白こしあん)。

千枝先生の美しい御点前で、今回も大変美味しい御茶を頂きました。
画像のお道具、桑小卓には、宝尽くし中棗、織部水指。お茶碗は千枝先生御手作りの筍のお茶碗です。

畳の上に正座し、心静かにお茶を頂く。
何かと多忙な日常の中の、そのほんの僅かな間が、とても貴重な時間です。
もちろん、正座の苦手な方は、お足は楽になさって下さいね!正座椅子のご用意もございます(店主自身が一番正座が苦手だったりしますw)。


「お茶室タイム」の後は、洋間に戻って、お干菓子と御抹茶を囲むカジュアルな「円卓タイム」。
日本の色辞典 (染司よしおか日本の伝統色)源氏物語の色辞典 (染司よしおか日本の伝統色)王朝のかさね色辞典 (染司よしおか日本の伝統色)
(↑クリックで詳細情報にとびます)
こちらでは、床の間に掛けた手織りの色彩について、店主から少しお話をさせて頂きました。
今回は「さくら色」。
吉岡幸雄さんの事典にあります、襲の色目(かさねのいろめ)の「樺桜」の色を参照しつつ、中学テキストにも掲載された大岡信「言葉の力」を紹介させていただきました。染織家の志村ふくみさんの「さくら色」の工夫にちなむエッセイです。
これから毎回、床の間には時季にあわせた手織りものを掛ける予定で、円卓にて毎回一つずつ「色」についてご紹介して参ります。よろしくお願い申し上げます。

円卓でのお干菓子は、俵屋吉冨のたんぽぽ(花は和三盆、葉は琥珀)。自由ヶ丘・黒船のbriQ(黒糖ラスク)を、温かい春の土にみたてました。
皆さまからのお土産、とらや「九重の華」、緑寿庵清水「さくらの金平糖」も、ありがたく頂戴いたしました。
 さくらいろ…♪
 さくらいろ…♪
菫、蒲公英、梅、桜、アイリス、猫に雪柳、
と、春、花ざかりのカフェゼミでした。


川上先生、ゼミ生の皆様、今回も、楽しいひと時を本当にありがとうございました☆
茶の湯のカフェゼミは隔月開催。茶道の心得のおありの方も無い方も、どの流儀の方でもご参加頂けます。どうぞ詳細は直接お問い合わせください。


皆さまのお越しを心よりお待ちしております!